王と女王の共演

初夏に風車のような花を咲かせるクレマチス。輪とした優雅な佇まいからヨーロッパでは「つる植物の女王」として古くから栽培されてきました。クレマチスと同じ初夏に最盛期を迎えるバラはクレマチスと対比して「つる植物の王」と呼ばれてヨーロッパの初夏の庭を彩っています。
今回の佐藤俊輔のFLOWER STYLEのテーマは、「クレマチスとバラのリース風アレンジ」ということで、王と女王の共演となります。アレンジメントの土台をアーティフィシャルフラワーでつくることにより、枯れない花器に生花を生けるようなアレンジを制作します。
花材紹介

左から、クレマチス(デュランディ)、鈴野農園のアジサイ(アンティークグリーン系)、SPバラ花時間(ピンク)、オンシジウム(エンシクリア)

STEP.1土台セッティング
オアシスを2cmの厚さにカットします。

半分にカットし角を落としてカゴに入れます。

隙間が空いていても大丈夫です。

リースを8等分にカットしオアシスの上に敷き詰めます。


STEP.2生花をプラスする
アジサイを細かくカットします、茎を残して長いパーツも作ります。

ラベンダーの下のオアシスにとどくようにアジサイを挿します。

SPバラを下の茎から長さを残すようにカットします。

分量が偏らないようにまんべんなくバラをオアシスに挿します。

スターチスをバラやあじさいよりも茎が長くなるようにカットする。

スターチスはオアシスにつかなくてもいいので隙間などをうめるように挿していく。

オンシジウムも同じようにカットして挿して、花材のバランスを整える。


STEP.3クレマチスでラインを作る
クレマチスの葉をカットする。花芽はお好みで残しても。

オアシスにとどくようにクレマチスを挿す。

クレマチスの茎をラベンダーに引っ掛けるようにしてラインを作っていく。

クレマチスは右回りなら右回りという感じで一方向に挿すとまとまりがでる。

詳しい作り方は動画コンテンツで
いかがでしたでしょうか?ボリュームがあり、かつ最初からバランスよく花材が配置されているラベンダーリースを土台にすることによって、グリーンセッティングの手間がなくなり、より短時間で本格的なアレンジを作ることができます。
キリスト世界では、聖母マリアがキリストと旅をしていた道中、クレマチスの咲く丘があらわれ、あまりの美しさに二人はその場で休息をとったという逸話があり、クレマチスの花言葉「旅人の喜び」の由来となっています。
行楽シーズンが本格化するこの時期、ぜひ旅先の花屋さんにふらりと立ち寄ってみてください。美しい休息をくれるクレマチスに出逢えるかもしれません。
旅する喜びからはじまる花のある暮らし「佐藤俊輔のFLOWER STYLE」次回もお楽しみに!
P.S.

撮影から1週間ほどたちすっかりドライになった今回のリースです。アーティフィシャルフラワーの土台がドライの中にもみずみずしさを演出してくれています。綺麗なドライにしたい場合は、アレンジを作ったあとは水をやらずに置いておくと綺麗に仕上がりやすいので試してみてください。
佐藤俊輔のインスタグラムでは撮影時のオフショットなども掲載しています。
この記事を書いた人
- フラワーデザイナー 佐藤俊輔
- ㈱三越(現・三越伊勢丹ホールディングス)を退社後、花の世界へ。
 2014年、モナコ国際親善作品展国内選考会において特別賞を受賞。
 2016年より「女性自身」(光文社)、2020年より「CREAWEB」(文藝春秋)にて花のあるライフスタイルを連載中
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